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   第三話


 「キさま・・・なンだその剣は・・・」
影が抑揚の無い声で言う。
 「なぜ読めない?動きが分からない・・・」
驚愕の表情―のように見える―顔で影は言葉を続けた。
 「しかし・・・なるほど、貴様が私の反存在と言うわけだ・・・くく・・・これはいい。いいぞ!もっとこい!そうでなくては詰まらん!!」
 「・・・。」
驚いた、しかし抑揚の無かった声が次第に生気を帯びてきた。対して流は影を見据えたまま微動だにせず、ただじっと構えている。
 「なるほどな。もはや口で語ることはない。剣で語れと言う事か。ならこの竹刀・・・さっきのお前の仲間の武器のコピーでは、いささか役不足だな」
その言葉と同時に影の手にあった竹刀は霧のように消え去った。
しかしそれが自分の認識を超えた存在だと察していた流は驚きはしなかった。しかし次に現れたものを目にした時、その沈黙は破られる。
 「ならば私も全力で迎え撃とう・・・・・・ッ!」「な!そ、それは!」
影が力を入れると同時に手元に出現したものは、流と同じ真剣だった。
 「それは天国家に伝わる・・・」
 「そうだ。さっきは最初に目に付いた武器をコピーしたがな、あれでは貴様と相対するには不足だろう?」
 「しかしそれは今俺が持っている・・・コピーとそう言ったか?」
 「ああ、しかし会話は飽きたな。残りはその剣で語るがいい!!」
 「ッ!」
いきなり切りかかってきた影の攻撃を流はかろうじて防ぐ。
 「ふぅ・・・・・・・・・」
息を吐くと流は構えた。しかしそこにあるはずの闘気が感じられない。威圧感だけが存在する。
 「またそれか。いやだがそれぐらいでなくては面白くない。ゆくぞ!」
影が流に切りかかる。しかし臆することなくその攻撃をかわし、時には防ぎ、隙あらば反撃する。
 「ッ! ッ!!」
一合、二合・・・どんどん攻撃は加速し目にも留まらぬ速度になるにも関わらず、流に致命傷はない。
 「どうした!防ぐだけか!?打ってこい!!」「・・・。」
影の怒気を孕んだ声が響くが、しかし流は動かない。
 「チッ。防ぐだけしか出来ないのか貴様!」
影の言葉に流が一言返す。
 「そうでもないさ」
その一言と同時に影を上回る速さで距離を縮める流。そしてそれに対応しきれない影。
 「はっ!」「ッッッ!!」
その一撃で勝負は決した。流の一撃が影の動きを捉えた。相手が人だったならば即死であろう一撃を。
膝をつきそもまま後ろに倒れこむソレを前に、流は刀を収めた。
 「・・・チッ私の負けか・・・完敗だ。まさか俺に動きの読めない奴がいるとはな・・・今の技、いや技と呼ぶのかどうかも分からぬが・・・なぜ俺は動きを読めなかった・・・んだ?」
 「・・・。」
 「あ、んしんしろ・・・俺はもう動けん・・・いずれ消え去るさ・・・冥土の土産に教えてくれないか・・・」
 「技名なんてものは存在しない。お前が俺たちの動きを読めるというのは事実だろう。彼方がいた時にそれは確信した。」
 「あの時は読めた・・・お前らの太刀筋も防御も・・・だがなぜ今度は読めなかったんだ・・・?」
 「お前は、俺たちの咄嗟の動きは読めていなかった。つまり、考えていないと分からないわけだ。」
 「そ、の通りだ。だが考えずに動けるはずがない・・・何をしたんだ・・・?」
 「何もしていない。ただ、無心になっただけさ。」
 「ふ・・・軽く言ってくれるな・・・誰にでも出来るものではないというのに・・・」
 「・・・。」
 「ま、いいさ・・・なかなかに楽しめたぞ。あとよっつ。お前らが勝てるのかどうか、あの世から見ててやるぜ・・・」
それきり影は口を聞くことはなく、次第に薄れていった。
 「楽しめた・・・か。それは俺もさ」
黙ってそれを見ている流。そのまま数分の時が過ぎ、完全に影が消え去ったとき
 「流!」
後ろから走ってくる彼方の声が聞こえた。
 「・・・彼方か。ヒロは・・・見つけたようだな、よかった。」
 「あ、ああ・・・それよりお前、さっきの奴は!?」
一言
 「消えたよ」
とだけ返す。
 「消えたって・・・お前まさか倒したのか!?動きを読む奴を相手に!?」
 「ああ・・・」
 「ああって・・・どうやって倒したんだ?」
 「言うつもりは無いし、教えても実践出来ないさ あいつの言うとおりな」
 「・・・そうか。」
キッパリした流の言葉に彼方はそれ以上何も追求しなかった。そして流はある事に気づいた。
 「!・・・あの野郎・・・鞘まであるってことはわざと残していきやがったな?」
 「は?」
 「彼方」「なんだよ?」
さっきまで影が倒れていた場所に歩いていく流。そしてそれを鞘に収めると彼方に差し出した。
 「持ってろ。」
 「?? なんだよこれ・・・って真剣じゃねーか!どうしたんだよこれ?」
 「色々事情がある。だが、いつまたさっきみたいな奴が出てくるか分からんからな 一応持ってろ」
 「あ、ああ分かった」


 「・・・あのさ?」
 「ん?」「?」
 「さっぱり事情が分からん。俺にもわかるように説明してくれないか?」
ヒロが言う。
 「そうだったな。それは・・・」
と、彼方が続きを言おうとしたその時
 ―――――。
急に雑音が耳に入った。車の音、人の話し声、さっきまで掛けていた世界の一部が戻っていた。
 「なっ・・・!?」
 「人が・・・いる・・・?」
 「どうなってやがる・・・」
状況を把握できずに驚いている彼らに話しかける人がいた。
 「お前ら、こんなところで何してんだ?Twilight集合って話だったと思うんだが・・・」
香澄だった。


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2010.11.15 Mon l 昨日と明日の狭間より―― l COM(0) TB(0) l top ▲

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