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   第二話


 「良いからこい!早くしろ!!!」
二人の声を掻き消すように彼方の叫び声が響いた。

彼方はそのまま歩と瞳の手を引いて走り出す。
 「ちょ、ちょっと!引っ張らないでよ!」「なら走れ!」
瞳にそう言い返しながらドンドン走る速さを上げていく。流の方を振り返ることもせずに・・・
 あの影と流が見えなくなる頃には二人も自分で走るようになっていたが、流を一人置いていく判断をした彼方に彼女達は不信感があった。
 「ねぇ・・・なんで流君だけ置いてきたの・・・?見捨てたわけ・・・じゃないよね?」
ついに歩が耐え切れずに問いかけた。
 「ああ・・・あいつが行けと言った時にあいつの目を見た。あれは何か勝算がある時の顔だ」「そんなのただの強がりかも知れないじゃない!」
きつく言い返した瞳に対して、やさしい笑みを浮かべながら
 「何年腐れ縁してると思ってるんだよ。分かるさ あいつや・・・お前らのことならな・・・もちろんヒロや香澄のことも、さ」
 「でも・・・だって・・・!」「今俺らがするべきことは、ヒロを見つけることだ。そしたらあいつの所に戻れるだろ?」
一拍置いて、
 「それにヒロだってもしかしたら同じ状況かもしれない。そうだとしたら助けに行かないと、だろ?それに流は強いさ 俺よりも・・・な」
 「・・・分かった。なら早くヒロ君を探そう!」
気持ちを切り替えた瞳は気合を入れるようにそう答えた。
 「ああ!」「そうね!」
二人のやり取りを見ていた歩も続く。


 「確か・・・この辺からヒロ君の声が聞こえたんだよね?」「そうだ。だから、おそらく学校の周辺にいるんだと思う」
そして学校に到着した時、正門の前にヒロ―伊月寛―は立っていた。
 「ヒロ!無事だったか!」「ヒロ君!」「よかった~」
3人に気づいたヒロは
 「あ、やっと会えたぜ ここは一体なんなんだ? 星見学園だけじゃなくて町のつくりまで一緒なのに人一人いねぇ・・・」
 「それは俺らにもわかんねぇよ・・・でも今大変なんだ とにかく一緒に来てくれ!」
いきなりの彼方の言い分にきょとんとしながらヒロは問い返した
 「大変?って何がだ?ってか流はどこいったんだ?」
 「その流が大変なんだよ!敵に襲われてるんだ!俺と流二人掛りでも手におえなかった・・・今は流一人で食い止めてくれている」
 「な!?敵!?」
 「ああ・・・かなり強いぞ・・・」
 「お前そんな奴のところに流一人置いてきたのか!?」
 「話は走りながらする!とにかくついて来い!歩と瞳も!聞こえたな!?」
 「うん!」「おーけー!」
4人揃って走り出すと同時にヒロが呟いた。
 「なんで・・・どうしてこんな事になってんだよ・・・」




   ―1時間前―

 「いやー6人揃うのも久しぶりだなー と言いつつ香澄の奴はまだかよ 6人揃ってねぇじゃねぇか」
 「まぁそう慌てるなよ、彼方 何でも紹介したい人がいるとかって遅れるらしいじゃん」
 「そーそー ついにあいつにも彼女が出来たりしたのかね?」
 「いやそれはありそーで・・・ねぇんじゃね?ヒロが深読みしすぎに10円!」
 「あははっ、やっすいねー彼方君 はい、みんな飲み物どうぞ~」
 「おっ さんきゅ!」「さんきゅ~」「ありがとう瞳ちゃん」「はいはいー と、こ、ろ、で」
 「「「???」」」
 「彼方さんは店員なんだから仕事してください!」
 「うぇ、マジで?」
 「そうよ~彼方君、瞳ちゃんだけにやらせちゃ可哀想でしょ~?はい、新作のタルト何だけど味見してみてくれるかな、みんな?」
 「「「喜んで!」」」
 「ところで、俺は今日シフト入ってないから許してくだしぁ・・・」
 「あら、そう・・・じゃ、頑張ってくれてる瞳ちゃんにはボーナスあげないとね~?」「ありがとございます~」
 「さぁ~て仕事仕事!え?ボーナス?ありがとございまーっす」
 「相変わらずだな」「だな」「だね」「さすが彼方君」「現金ねぇ~」
 「金は世界を救うんだ・・・ぜ・・・?何か踏んだ。なんだ?これ・・・本?だけど中に何にも書いてないぞ?」
 「??マジで?みしてくんね?」
 「ほれ、ヒロ な?まっしろだろ」
 「ホントだな。歩さん、これなんスか?」
 「どれどれ・・・?何これ?私のものじゃないからお客さんの忘れ物かな・・・?」
 「ふむ・・・ま、渡しておきますね 落とし主が現れるかも知れませ」
どごおおおおおおおおおおん!
 「何だ!?」「何?」「うお!?」「きゃぁ!」「地震!?」
 「地震だ!」
彼方の叫びと同時にピッタリと地震は止んだ。
 「ってあれ?いやにピッタリ止まったな。なんだったんだ?」
 「近くでクレーン車でも倒れたか?もしくは交通事故とか・・・なぁ」
 「ん?」「何?」「どしたの?」
 「・・・・・・。」
 「何だよ流。どうしたんだ?」
 「やけに静かじゃないか・・・?」
 「は?普段からこの店は静かな雰囲気でだな・・・外か?」
 「ああ、話声も車の音も聞こえない」
 「そういわれて見れば・・・確かにそうね・・・歩さん、ここってこの時間帯だと結構ざわざわしてますよね?いつもなら」
 「ええ・・・あまりに静か過ぎるわね・・・とりあえず外を見てくるわね」
 「俺も行きます。ヒロ、横通してく・・・れ?あれ?ヒロは?」
 「え?ヒロならそこに・・・いな・・・い?」「ヒロ君?」「トイレかしら・・・」
 「とりあえず外を見ましょう 彼方、通してくれ」
 「待て待て俺も行く」「じゃぁ私も!」
全員で窓に寄っていく。
 「・・・車が動いてないな・・・」「どころかそもそも人がいねぇよ」「へんねぇ~この時間に人が一人も通ってないなんて」
黙っていた瞳が唐突に声をあげた。
 「ちょっとみんな!」
 「ん?なんだ?」「どうした?」「???」
 「さっきの本、確かテーブルの上にあったよね?」
 「ああ」「そうだな、それがどうした?」
 「・・・ないんだけど・・・テーブルの下にも、どこにも・・・」
 「そんなはずねーだろ?もっとよく探せよ」
 「じゃぁ一緒に探してよ!」
 「しゃーねーなー」「ま、仕方ないな」「お客さんの忘れ物かも知れないものね~」
数分後・・・
 「ない・・・」「ないな・・・」「ないわね・・・」「でしょ・・・?」
4人の間に沈黙が流れる・・・



最初に口を開いたのは彼方だった。
 「ヒロおそくね? ちょい見てくるわっと・・・」
トイレの方に歩いていく彼方を見送りながら現状の異質性を肌で感じ取っていた。もちろん彼方も。
戻って来た彼方が告げる。
 「トイレにはいなかった。ってかそもそも通路側に俺がいたんだから通れるはずが無いんだが・・・」
 「確かにそうだな・・・」「携帯使えばいいじゃないのよ 電話掛けてみるね・・・って、圏外・・・?」
 「はぁ?んなわけ・・・あるわ 圏外だ」
 「学校行けば誰かいるかもだよな?まだ部活の時間だし、職員室にも誰かいるだろ」
 「確かに。ここの通りだけが全てじゃないよな」
 「いきましょ。歩さんはどうします?」
 「私も行くわ。悲しいことにお客さんは一人もいないからね・・・」


そして4人連れ立って学校に向かって歩いていると・・・
 「しかしほんとに誰もいねぇな 神隠しでもあったのか?」
 「不気味なこといわないでよ!」
 「あ、歩さんやめ!俺が悪かった!」
 「・・・れか・・・ねぇのかー!?」
 「なあ彼方、今ヒロの声しなかったか!?」「ああ、学校の方だ!」「行こう!」「ええ!」
走り出す。
 「周りが静かな聞こえた感じだな ちょっとだけ感謝、っと」
そして流の家の前に通りがかったとき
 「ちょっと家寄っていっていいか?持ってきたいものがある」
 「ああ、でも出来るだけ早くしろよ?」
 「分かってるよ」
流が自分の暮らしてる部屋に入って行った時、瞳が呟いた。
 「・・・! 何・・・?何か・・・いる?」
 「どうした?」
 「いやな予感がする。何か嫌なものが近づいてくる感じがするの」
 「何かが近づいてって・・・誰もいないから探しに行くところだぜ?まぁいてくれればそれで」
 「いや・・・何これ・・・」
と瞳が震えだした時流が部屋から戻って来た。左手には流の部屋に飾ってあった刀が、右手にはしないが握られていた。
 「彼方。これ、もっとけ」
 「あ?なんで裸のまま竹刀持ち歩くんだよ 銃刀法違反になる、っつーかお前のそれはモロに違反だろうがよ」
 「ああ、確かにな だが、何か嫌な予感がするんだ」
 「・・・瞳も同じようなこといってるんだが・・・?」
 「何?瞳、ホントか?」
 「ええ・・・とても嫌な感じが・・・左!!!!!!!!!」
 「!?!?」「!!!」「!?」
一番左にいた流のすぐ隣に黒い影がいた。そして手にした竹刀で切りかかってきた。
 「ちぃっ!」
瞳の声で一瞬早く気づいた竜が咄嗟に防御する。間一髪で影の竹刀を防ぐことが出来た。
 「きゃぁ!!」
 「な、なんだこいつ!?いきなり切りかかってきやがった!」
 「瞳と歩さんは下がって!彼方、手ぇ抜くな 油断すると死ぬぞ」
 「・・・ああ、確かにそうだな・・・なんとなく分かる」
 「俺が先に行く はっ!」
彼方の目にも留まらぬ攻撃を難なく交わした影は流に切りかかってきた。
 「ちっ!」
攻撃を防いだ流はカウンターで切り返したが
 「なっ!?」
誰が見ても完璧なタイミングのカウンターだった。だがソレは体をひねるだけで避けて見せた。
唖然とする二人と状況がつかみ切れてない二人の前で、黒い影は立っていた。


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2010.11.08 Mon l 昨日と明日の狭間より―― l COM(0) TB(0) l top ▲

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