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  最終話 ~過ぎ行く夏と・・・~


突然声が聞こえてきた。


   「あなたのせいでもないわ」
 「え?」
  「え!?」
俺と夏樹さんは驚いて辺りを見回す。すると・・・
 「ね・・・えさん?」
  「夕海さん・・・?」
お墓の上に姉さんがいた。
   「ええ・・・裕也、大きくなったわね 夏樹ちゃん、ちゃんと伝えてくれてありがとう」
言葉を失っている二人に対して
   「いい?私が二人と話が出来るのはこれで最後 それもほんの少しの間だけ だから黙ってよく聞いてね」
二人は分かったと首を縦に振る。
   「あの時、裕也と一緒に船の上から景色を見ていた その時夏樹ちゃんがデッキから落ちたの ここまではさっきの話で
   わかってるわね?」
 「うん」
俺は答える。
   「でも、落ちたのは夏樹ちゃんのせいじゃないの」
  「え?」
驚いた顔で聞き返す。
  「どういうことですか!?」
姉さんはひとつ頷くと
   「夏樹ちゃんがいた所の手すりはね、船に乗り降りする時に使う場所で、開け閉めできるようになってたの。
   でも船が揺れた時にそこが開いて海に落ちちゃったのよ」
   「私はそれを見て飛び込んだの 助ける為に」
姉さんはを言った。
   「だからはしゃいでた夏樹ちゃんのせいじゃないし、一緒に景色を見ていた裕也のせいでもない 一緒にいたのに
   助けられなかった って思ったかも知れないけど、あの時もし裕也が私を見て飛び込んでいたら、それこそ誰一人
   助からなかったわ」
 「でも・・・」
   「でもじゃないの。もし私がすごい泳げる人だったとしても、二人は同時に助・・れな・・・・ね」
 「姉さん?」
   「そろそろ限界みた・ね 忘・ないで あなたた・に責任はな・ それ・ひと・はた・・られ・から」
 「姉さん!」
  「夕海さん!!」
   「じゃ・ね 元気で 夏樹ちゃ・ 裕・のこと・よろし・ね・・・」
そして姉さんは見えなくなった。

沈黙が流れる。

そして、涙を流している俺に、夏樹さんは言った。
  「私もそろそろ限界みたい・・・一緒に花火見れてよかったわ・・・ありがとう・・・」
 「夏樹さん!俺、夏樹さんの事が好きだ!!初めてあったあの夜からずっと好きだった!!やっと・・・気づいたんだ・・・」
  「私も裕也さんが好き・・・やっと・・・思いを伝えられたのに・・・これで終わりかぁ・・・」
 「そんな!やっと思いが通じたのに!なんとかならないの・・・!?」
  「もう・・・どうにもならない・・・だから・・・」
消え入りそうな声で
  「ありがとう裕也さん 私を好きに・・・なってくれて・・・ 忘れない」
 「俺も忘れない!また、またいつか!」
これ以上ない笑顔で
  「そうね・・・また・・・いつ・・・か・・・」
 「夏樹さん!!!!!待ってるから!!!!!!!!」



俺の叫びと共に、夏樹さんは消えていった・・・セミの鳴き声の響き渡る凪の中、ほんの少しの思い出と笑顔を俺の胸に残して・・・














そして時は流れ―――1年後



  「おい裕也~ お前まだ彼女いねぇの?」
やりたいことが見つかった、とかって大学やめて仕事をしてる雅にそんなことを聞かれた。
 「お前そんな話題ばっかりだな・・・作者や作者の同居人とかわんねぇな・・・いるよ」
  「おいおい何の話だ?って、マジかよ 誰だよ 俺の知ってる奴か?紹介しろ紹介」
 「今は会えないんだ でも、またいつか会おうって約束した
 だからいつか、またいつか会えると信じて俺は待つことにしたんだ」
  「・・・そっか・・・ま、がんばれや・・・」
優しげに雅は言った。


 「ああ、任せろ」





     ―だから待つんだ
         俺はここで
            彼女との再開を夢みて






                  これが、決して忘れることの出来ない、俺の夏の物語・・・―――




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2010.09.18 Sat l 過ぎ行く夏と・・・ l COM(0) TB(0) l top ▲

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